2009年2月27日金曜日

「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト/闇の住人」U.K.

原題:In The Dead Of Night

■「U.K.」(「憂国の四士」)収録







おまえも 片目を開けたまま眠れる私と 同類の者なのか?

精神がおかしくなりそうな孤独な時間を 
どうしていいのか苦悩しながら
床からのほんの小さな音に 光を求めながら

ドアのノックの音に
今おまえの両手は汗ばみ 心臓はときめきながら  

真夜中の静寂の中で

真夜中の静寂の中で  

金と権力のある人々は からまった結び目を解く
 
彼らの望む 飽き飽きしたスリルや気まぐれに ふけるために
 
中から聞こえる 息をころした泣き声を隠す 雨戸の閉まった窓
 
詮索好きな人たちも 始まったその手の行為に気がつかない
   

真夜中の静寂の中で
 
真夜中の静寂の中で


Are you one of mine who can sleep with one eye open wide?
Agonizing psychotic solitary hours to decide
Reaching for the light at the slightest noise from the floor
Now your hands perspire heart goes leaping at a knock from the door

In the dead of night
In the dead of night

Rich and powerful ascend complicated bends to be free
To indulge in what they will any jaded thrill or fanstasy
Shuttered windows that belie all the stifled cries from within
And prying eyes are blind to proceedings of the kind that begin

In the dead of night
In the dead of night

In the dead of night
In the dead of night


【解説】
King Crimsonのジョン・ウェットン(ベース)、ビル・ブラッフォード(ドラムス)に、エディ・ジョブソン(ヴァイオリン、キーボード)、アラン・ホールズワース(ギター)という、夢のようなメンバーが集まったバンドU.K.のファースト・アルバム「U.K.」の、カッコ良すぎる最初の曲「In The Dead Of Night」である。

実際には次の「In The Light Of Day」「Presto Vivace And Reprise」まで一続きの組曲のようになっている。曲の構成としては「夜」→「昼」→「まとめ」みたいな感じか。今回はその「夜」の部分である。その「夜」を描く部分がサウンド的に激しく、「昼」を描く部分が、ゆったりした雰囲気になっているところが面白い。

まず「in the dead of night」は慣用句で「真夜中に」という意味。ただし時間的に深夜であるということだけでなく「dead」という言葉があるように、「皆が死んだように寝静まった時」という意味合いが込められている。そこで「真夜中の静寂の中で」と訳してみた。これは次の曲の「in the light of day」(昼間の光の中で)と、日本語的にもかたちを合わせたいこともあった。

内容を見ると、1連は「おまえも」と呼びかけている「わたし」がいて、「片目を開けて眠る」くらい病的に孤独にさいなまれている様が描かれる。わずかな物音に人の気配を期待して、孤独から逃れようとしている「わたし」そして「おまえ」、あるいは現代の多くの人々。

2連では、同じ真夜中に「rich and powerful」は享楽にふけっていると語られる。「rich 」も「powerful」も、どちらも形容詞なのだが、「rich and powerful」と言うと「金と権力のある人」という名詞になる。泣き声を抑えて家に閉じこもっているのは、その犠牲者たちなのか。でも真夜中の静寂の中では、そのようなことが始まっても誰も気がつかない。

夜の孤独と享楽。二つを対照的に描いたのが、この「In The Dead Of Night」である。しかし前半に「おまえ」に語りかけるかたちで「わたし」が存在することを考えると、後半は「わたし」が「金と権力のある奴ら」を思いながら、金も権力もなくただ孤独の中で苦しんでいる自分を振り返っていると見ることができよう。

さてでは「昼の光の中」にいる「わたし」はどうなのか。


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