2009年2月14日土曜日

「シスター・ジェーン」タイ・フォン



あぁ シスター・ジェーン
君は私を盲目にしたまま去り 僕は途方に暮れている
あぁ シスター・ジェーン
僕に対して 太陽を沈ませないで
悟ろうとしないで
僕が 崩れ落ちないように助けて

あぁ シスター・ジェーン
君は僕の生き方を変えた そして
あぁ シスター・ジェーン
君は僕を一人残して去っていった でも今
僕の心は素直になり
君が与えてくれた日の光に 手が届くようになった

ここにやって来て
お願いだから 僕の目をのぞき込んで
僕は本当に泣きたい
だって一人ぼっちで 悲しみに沈んでいるのが辛いから
 

 Ah, Sister Jane
 You left me blind and I'm lost
 Ah. Sister Jane
 Don't let the sun go down on me
 Don't want to wake you
 Save me from falling down

 Ah, Sister Jane
 You changed my way of life and
 Ah. Sister Jane
 You left me all alone but now
 My mind is open
 I reached the day you brought

 You should go and see
 Please, look in my eyes
 I just want to cry
 'Cause it's hard to be
 All alone and blue


【解説】
「THAI PHONG」は、フランスのプログレッシヴ・ロックバンドであるタイ・フォン(Tai Phong:当時は「タイ・フーン」と書かれていた)の1975年のデビューアルバムである。バンド名がそのままアルバムタイトルになっているわけだ。

ギ ター&ボーカルとベース&ボーカルを担当する、ベトナム系のプレーヤー2名が中心になって結成されたバンドで、ボーカルが東洋人系の声質である点がまず大 きな特徴である。声質の好き嫌いはあるだろうが、歌は非常に上手く、ハイトーンを活かした情感豊かなボーカルは、タイ・フォンの大きな魅力であるし、独特 な声質も、繊細なイメージにつながる大きな個性だと思う。

そんなボーカルに力のあるバンドの、ボーカルの魅力を全面に出したシングルヒッ ト曲がこの「シスター・ジェーン(Sister Jane)」である。アルバムの中ではインストゥルメンタル部分も多いのだが、この曲に関しては完全にボーカル曲、それもドラマチックに盛り上がる4分ほ どの愛の歌である。そのメロディーの美しさ、ピアノから入って次第に盛り上がっていくアレンジの上手さ、ハイトーンを活かしたボーカル表現の素晴らしさ で、名曲の誉れ高い一曲だ。

しかし詞は単純な内容である。シスター・ジェーンに去られた男が、帰って来てくれ、一人ぼっちにしないでくれと、ただただ訴えている曲である。「僕の心は素直になり(My mind is open)」と今の心境の変化を伝えている。僕は前の僕ではなくなったんだと。

“I reached the day you brought.”は、「君が与えてくれた日に僕は到達した」というと意味がよくわからない。一連で「盲目(blind)」、「太陽を沈ませないで (Don't let the sun go down on me)」とあるのを受けて、ここでは“day”を「日の光」と訳してみた。「今までは君が投げかけてくれていた日の光に気づかずにいたけど、それがわかる ようになったんだ」と、ここでも僕が変わったことを訴えていると考えた。

しかし最後は泣き落とし(I just want to cry)である。情けないというか何と言うか。でも別の味方をすれば、飾らないストレートな表現だとも言える。だからこれが切々としたメロディーの感極 まったようなボーカルに乗ると、感動的に聴こえてしまうんだなぁ。名曲ってそんなものですよね。単純だからこそ不変な魅力がある。曲は上の3つの連を繰り 返しながら終わる。

ちなみにタイトルにもなっているシスター・ジェーンであるが、ジェーンはこの男を捨てた女性の名前だとして、このシス ター(sister)は何かが気にかかるところ。「姉、妹」だとマズいだろうし、「修道女」だと置き去りにはしないだろう。sisterにはこの他に「親 しい女の人」という意味がある。これが一番しっくりくるか。訳すとしたら「僕のジェーン」かな。未練たらたらだからな、この男。呼びかけ方にもそれが出て るといったところかな。

それから余計なことかもしれないが、一回目に歌う時だけ1連の「僕に対して 太陽を沈ませないで」部分の英語が「Don't let the sun go down on me」ではなく「Don't have the sun go down on me」に聴こえる。意味は変わらないんだけど。

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