原題:「The Power To Believe : A Cappella」
■「ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ」
(The Power To Believe)収録
彼女は 無気力な日々 ずっと私を支えてくれている
彼女は 乾いた僕をたっぷりの水で潤してくれる
彼女は ある意味、僕の人生を救ってくれたんだ
信じる力を 僕に取り戻させてくれた時にね
She carries me through days of apathy
She washes over me
She saved my life in a manner of speaking
When she gave me back the power to believe
(The Power To Believe)収録
彼女は 無気力な日々 ずっと私を支えてくれている
彼女は 乾いた僕をたっぷりの水で潤してくれる
彼女は ある意味、僕の人生を救ってくれたんだ
信じる力を 僕に取り戻させてくれた時にね
She carries me through days of apathy
She washes over me
She saved my life in a manner of speaking
When she gave me back the power to believe
【解説】
70年代から現在に至るまで、プログレッシヴ・ロックのみならず、ロック界全体でも常に先鋭的な活動をし続けている現役バンドKing Crimsonの、2003年の作品、現時点での最新アルバム冒頭の曲である。
「ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ」はI、II、IIIとアルバム中3回出てくるが、上記の歌はIとIIIで歌われる。ただIIIではサウンドとの掛け合いのようになっているので、歌として通して聴けるのはこのI、つまりアルバム最初の曲においてということになる。それもイコライズされた声ではあるがアカペラで。とても短いが印象に残る曲だ。
訳詞上のポイントは“in a manner of speaking”で、「いわば、ある意味で」という熟語だから、「話す」とは言っていない。彼女はカウンセラーのように、話すことで「僕」を救ってくれている訳ではない。
「信じる力」(The Power To Believe)とは、何と力強い言葉だろう。1969年のデビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」の『エピタフ』で、“混乱こそが私の墓碑名とな るだろう”と歌って、当時のニューロックの中でも強烈なインパクトと支持を得たバンドは、今絶望の中の希望を歌おうとしている。
もちろん 能天気に現状を肯定したり、道徳的に人を信じましょうと説いているわけではない。むしろこれは「彼女」への感謝の言葉であり、おそらく愛の言葉である。無気力な自分を見捨てず、ただそばにいてくれた彼女。それが信じる力を取り戻すことにつながったのだ。だから、この歌は希望の歌であり愛の歌である。そし て、それがこのアルバムのキーワード、つまりアルバムコンセプトだと言ってよい。
“She carries me through days of apathy”は現在形だから、私の無気力な日々はきっと今も続いている。「私」は信じる力を心に持ち続け、「彼女」に支えられながら、生きるために戦っている。
70年代から現在に至るまで、プログレッシヴ・ロックのみならず、ロック界全体でも常に先鋭的な活動をし続けている現役バンドKing Crimsonの、2003年の作品、現時点での最新アルバム冒頭の曲である。
「ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ」はI、II、IIIとアルバム中3回出てくるが、上記の歌はIとIIIで歌われる。ただIIIではサウンドとの掛け合いのようになっているので、歌として通して聴けるのはこのI、つまりアルバム最初の曲においてということになる。それもイコライズされた声ではあるがアカペラで。とても短いが印象に残る曲だ。
訳詞上のポイントは“in a manner of speaking”で、「いわば、ある意味で」という熟語だから、「話す」とは言っていない。彼女はカウンセラーのように、話すことで「僕」を救ってくれている訳ではない。
「信じる力」(The Power To Believe)とは、何と力強い言葉だろう。1969年のデビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」の『エピタフ』で、“混乱こそが私の墓碑名とな るだろう”と歌って、当時のニューロックの中でも強烈なインパクトと支持を得たバンドは、今絶望の中の希望を歌おうとしている。
もちろん 能天気に現状を肯定したり、道徳的に人を信じましょうと説いているわけではない。むしろこれは「彼女」への感謝の言葉であり、おそらく愛の言葉である。無気力な自分を見捨てず、ただそばにいてくれた彼女。それが信じる力を取り戻すことにつながったのだ。だから、この歌は希望の歌であり愛の歌である。そし て、それがこのアルバムのキーワード、つまりアルバムコンセプトだと言ってよい。
“She carries me through days of apathy”は現在形だから、私の無気力な日々はきっと今も続いている。「私」は信じる力を心に持ち続け、「彼女」に支えられながら、生きるために戦っている。
時に70年代以上に複雑でヘヴィーな曲を演奏しながら、それは70年代当時の現状に対する怒りや悲しみとは異なり、21世紀の現状に屈しないと言う 意味で、今のCrimsonは戦闘的ですらある。だから叙情に流されるメロトロンを使わなくなったのだろう。詞はギター&ボーカルのエイドリアン・ブ リュー(Adrian Brew)作。
時々口ずさんでしまうんだなぁ。
時々口ずさんでしまうんだなぁ。
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