I. 至福の時が来たれり
今あなたが聞こえるすべての言葉が
まるで 何かに目の焦点を合わせたみたいに
そして両手でほとんど触れるくらいに はっきりし始めたのだけれど
あなたは理解している
でもすべて存在するのだろうか?
引き続いて 聞いているうちに
後ろから響く新しい音に気づいたのだけれど
そしてそれらの音は 調子を合わせて心の中に入ってきたのだけれど
すべては存在するのだろうか?
今あなたは かつて見たことのないすべての色を見ている
それら一つ一つの色は さらに多くの色へと爆発的に増えていく
そしてますますその色を変化させていく
それは存在しうるのだろうか?
今あなたは 太陽の熱を顔に感じる
それは この場所の不思議さを示している光だ
そして あなたが手を伸ばせば 抱きしめることができると感じる
すべては真実 すべては真実なのだ
今あなたは 聞こえてくるすべての音が
まるで 何かに目の焦点を合わせたみたいに
そして両手でほとんど触れるくらいに 実感できるのだけれど
あなたは理解する すべては存在するのだ
すべては真実
一瞬の間 その一瞬があなたをつつみこむだろう
一瞬の間 その一瞬があなたを傷つけることもあるだろう
その一瞬一瞬は きっとあなたとともにあるだろう
私の心からあなたに向けた一瞬
IV. すべては真実
あなたが聞いたすべての言葉は
まるで 何かに目の焦点を合わせたみたいに
そして両手でほとんど触れるくらいに はっきりし始めたのだったが
あなたは理解したのだ すべて本当に存在したことを
I.glories shall be released
Now as it begins all the words that i hear
Are clear as if you focus your eyes on something
Near enough to touch with your hands you understand
Do the all exist ?
Now as it continues you hear and now you find
That there are new sounds coming from behind
And as they all come within and all in time
Do they all exist ?
Now you see all colour you've never seen before
They're all exploding from one and into more
And they keep changing their colour ever more
Can they all exist ?
Now you feel the heat of the sun upon your face
It's light reflecting the wonders of this place
And as you reach out you feel you can embrace
Everything is real, everything is real...
Now you realize all the sounds that you can hear
Are clear as if you focus your eyes on something that's
Near enough to touch with your hands you understand
Do they all exist
Larararadjarandarãn... everything is real...
For a moment, it will hold you
For a moment, it will hurt you
And this moment should stay with you
This moment from my heart
Iv. everything is real
And as it begun all the words that you heard
Were clear as if you focused you eyes on something
Near enough to touch with your hands
You understood that it did exist
【解説】
先 に訳した「II. ドーン・オブ・アワー・サン(夜明け)」をIとIVの間に組み込めば、セバスチャン・ハーディ(Sebastian Hardie)の大曲「Four Moments」の全訳となる。ちなみに「III. ジャーニー・スルー・アワー・ドリームズ(夢の旅路)」はインストゥルメンタル。
まずIでは、1連、2連が“As”で始まっていて、「〜のようなのだけれど」と、「あなた」に起こっている出来事を半信半疑で見ているような書き方になっている。だから「こんなものが存在するのか?」と問うている。
ところが3連では最初から「あなたは見ている」と言い切っている。目の前の出来事が実際に起きていることが肯定されている。だから「こんなことが存在しうるのか?」と、より現実的な問いに変わってきている。
さ らに4連、5連で「すべては真実」、「すべては存在する」と断定される。様々な色と音に満ちあふれた光あふれる世界。先に訳したIIで、太陽が去り夜の暗 闇がやって来ても、思い出と夢をいだいているうちに、夜明けがまたやってくると言っていた。それと合わせると、すべてが幸福に満ちあふれた天上界のような 世界を描いたのではなく、現実世界で得られる至福の瞬間の素晴らしさを描いていると言える。あくまで現実世界を歌った詞なのだ。
IIIで はIの1連が、ほぼそのまま過去形となって繰り返される。そして「すべては本当に存在した“did exist”と強調されて、曲は終わる。あり得ないような至福の体験、それは一瞬のできごと。だから一瞬一瞬が重要なのだ。その一瞬一瞬をわたしの心から 届けたいと「私」は思っているのだ。
実はギターのマリオ・ミーロ(Mario Millo)が、あるインタビューで答えている。
「詞 的な意味としては、いくつかの解釈が成り立つと思うんだ。僕としては前向きなとらえ方をしたいと思う。ただ部分的には、ある友だちのことが影響 (“inspire”)している。」その友だちとは昔のバンド仲間で、ドラッグのために目の前の現実と心の中の現実が混乱してしまい、数年後に自殺してし まったという。
その友だちへの個人的な思いまではわからないけど、確かにIの音と色と光の描写はドラッギーな感じがするかな。ただこの「Four Moments」という曲には、傷つける(“hurt”)瞬間があっても、現実世界に至福の時が必ずあることを歌おうとしている。
しかし、何よりも美しさと希望に満ちた感動的な音楽自体が、この曲の前向きさを雄弁に物語っているのではなかろうか。いや、まさにこの至福体験を現実の音にしたものが、このアルバム「Four Moments」なのである。
以上終了。
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