2009年2月28日土曜日

「バイ・ザ・ライト・オブ・デイ/光の住人」&「リプライズ/闇と光」U.K.



原題:By The Light Of Day, Reprise


■「U.K.」(「憂国の四士」)収録





バイ・ザ・ライト・オブ・デイ

 灰色の空に雷を呼ぶ黒雲
 活動的な夜明けの熱気と激情
 火と水という二つの元素の怒り
 水平線は激情の中に溶けていく

 昼間の光の下では
 昼間の光の下では

 年月を進ませる静かな運命の歯車
 権力と苦悩は恐怖を助長する
 愛の夢を求めれば
 さらにその終わりは早まる
 
 昼間の光の下では
 昼間の光に下では

リプライズ

 罪の報いは現実に行われるんだとは言わないでくれ
 壁にかかれた文字 - どれが点数でどれが取り分だ?
 私たちが 森を通して木々まで見ることができないのも 無理はない
 私たちが作り出した香水ですら、
 そよ風に運ばれてくる 吐き気を隠すことはできない

 昼間の光に下では
 夜の静寂の中では

By The Light Of Day

 Black clouds moving gray sky to thunder
 Kinetic sunrise fever and blood
 Fire and water element anger
 Horizon melting to blood

 By the light of day
 By the light of day

 Silent wheel advancing years
 Power and glory agony fears
 Love's a dream that some pretend
 Accelerates an early end
 
 By the light of day
 By the light of day

 By the light of day
 By the light of day

Reprise

 Don't tell me that the wages of sin are for real
 The writing's on the wall – what's the score what's the deal?
 No wonder we can't see through the wood to the trees
 No perfume we design can ever veil the sickness on the breeze



【解説】
「By The Light Of Day」の1連では、夜明けの情景がうたわれている。夜明けは昼間の「雷」「熱気」「激情」「怒り」をもたらす。「わたし」にとっては、決して明るさと希望に満ちたものではないのだ。音楽も静かなパートとなり、歌い方もけだるい感じ。

年月は間断なく過ぎていき、力と栄光を手に入れたら手に入れたで恐怖が生まれ、愛を手に入れようと夢を描くほど、その愛はすぐに消えてしまう。人生の空しさ、生きることの空しさが描かれる。

「Presto Vivace and Reprise」の「Presto Vivace(テンポを速く、活き活きと)」はインストゥルメンタル部分なので、その後再び「In The Dead Of Night」と同じメロディーに戻るところが「Reprise(繰り返し)」にあたる。

そこに描かれているのは「無力感」か。「In The Dead Of Night」での「わたし」は、享楽にふける人もいる中で、自分の「孤独」を歌っていた。「By The Light Of Day」ではどう生きても空しい「空虚感」、そして「Reprise」では「わたし」から「私たち」へと主体が変わっている。自分個人の状況ではなく、実は現実世界の我々のことを歌っているのだ。

この複雑で猥雑な世界では、我々は知らないうちに罪を負ってしまったり、真実を知らないまま過ごしていたりする。何とかしなければと努力したとしても、結局報われはしない。

ある意味、King Crimsonが最後に歌ったstarless and bible blackな世界観につながった、救いのない現実を歌っている歌なのだ。しかし、それにもかかわらずドラマチックなサウンドは、単なるあきらめではなく、そこに「わたし」の怒りを付け加えているような気がする。どうにもならないとわかっていながら感じてしまう怒り。

U.K.は、King Crimsonの音楽に比べると、素直にカッコイイ音楽に変貌した。後のAsiaほどキャッチーでポップというところまでは行かないが、カッコイイと思えるメロディーや演奏は、U.K.の大きな魅力である。

でありながら、もの凄く高度な演奏を間に入れている。ビル・ブラッフォードのドラムのスネアだけ聴いてみても、どれほど変化をつけているかに驚く。そうしたプログレッシヴ・ロックの要素は、楽曲のみならず歌詞の中にもまだ残っていたといえるかもしれない。

なお歌詞中の「power and agony」という部分であるが、日本語ライナーノートでは「power and glory」となっており、当初それをもとに訳した。しかしジョン・ウェットンのサイト、並びに歌詞検索サイトでも「power and agony」であるとのご丁寧なご指摘をいただき、歌詞並びに訳詞をそちらに統一した。ご指摘ありがとうございます。


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