2009年3月3日火曜日

「ジュリア」パブロフス・ドッグ

原題:Julia

■「Pampered Menial」
(禁じられた掟収録






 ジュリア 君は僕に基準を課した
 もっと欲しいと懇願しながら
 ドアまで歩けって
 ジュリア 僕には君ほどうまくはできなかった
 君も そうだねって言ったよね
 僕は 他には何も欲しくないんだもの
 
 だって君の愛がなければ生きていけないから
 だって君の愛がなければ生きていけないから
 そうさ君の愛がなければ生きていけないから

 ジュリア あぁ君は僕を夢中にさせる
 でも、僕は…僕は君の計画の一部
 あぁ 君の夢が存在している間だけの人間
 君は僕のほんの一部に過ぎない
 あぁお願いだ どれくらい どれくらい僕が好きか考えて
 お願いだ どれくらい どれくらい僕が好きか考えて
 ジュリア

 そしてジュリア すぐに君は僕を受け入れた
 そして僕も君を受け入れた
 君は僕の一部でもあるんだ
 
 そうさ君の愛がなければ生きていけないから
 そうさ君の愛がなければ生きていけないから
 そう君がいなければ生きていけないから
 ジュリア

 そうさ君の愛がなければ生きていけないから
 そうさ君の愛がなければ生きていけないから
 そう君がいなければ生きていけないから
 ジュリア

 Julia, you've set the standards for me
 Walk to your door
 Beggin' for it just to be more
 And Julia, I couldn't do much better than you
 You said so yourself
 I wouldn't want anyone else

 And I can't live without your love
 And I can't live without your love
 Well I can't live without you

 Julia, oh you're drivin' me crazy
 But I'm... I'm a part of your plans
 Oh just a man while your dreams be
 You're just a part of me
 Oh please see how much, how much you mean to me
 Please see how much, how much you mean to me
 Julia

 And Julia, straight away you've had me
 And I know I've had you
 You're a part of me too

 And I can't live without your love
 And I can't live without your love
 Well I can't live without you
 Julia

 And I can't live without your love
 And I can't live without your love
 Well I can't live without you
 Julia

【解説】
1976年、アメリカのパブロフス・ドッグのデビュー・アルバム「Pampered Menial」(“甘やかされた召使い”の意)の最初の曲である。強烈な個性の声質を持つボーカリスト、デヴィッド・サーカンプ(David Surkamp)をフロントに、アメリカらしくない乾いた暗さと丁寧に作り込まれたバックの演奏が特徴。

特にデヴィット・サーカンプの声は好き嫌いをはっきり分けてしまう程の強烈なインパクトがある。地声の超ハイトーンである。彼の声がこのバンドの大きなカラーであり、バンドが彼の特異な声を活かすことで、独特のサウンドができあがった。どこか暗さを秘めているのは彼の声の異質性から来るのか。


  
歌詞は比較的単純な、ジュリアへのラブソングである。デヴィッドが歌うとそのヒステリックな声で、単純に聴こえないけれど。

大好きなジュリア。君なしでは生きていけないほどの存在。でも一方で僕は君の夢のための計画の一部。だから「君は僕の一部でしかない。(You are just a part of me.)」と否定的に言った言葉が、後半では「君は僕の一部にもなっているんだ。(You are a part of me too.)」と肯定的に言っているように聴こえる。それでいい。だって君の愛なしでは生きていけないから。

詞だけ見ると、男が歌う愛の歌は不安でいっぱいなんだなぁ、と思うが、デヴィッドの声で歌われると、その思いが切々としたものに聴こえる。だって聴いているうちに彼の声に取り憑かれてしまうんですよ。

クラシカルなピアノのイントロ、アコースティックギターの伴奏でシンプルに歌われるボーカル、そして鳴り響くメロトロン。間奏部分のフルートも印象的だ。名曲。


2 件のコメント:

  1. がらんどう2009年12月14日 1:49

    結局、このバンド、デヴィッド・サーカンプのヴォーカルだけでしたね。紙ジャケ買って再認識

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  2. コメントありがとうございます。

    曲は基本的にポップな感じの歌モノですから、このバンドはとにかくデヴィット・サーカンプの際立った個性の強烈さですね。

    あの声質が元々異様に高いのに、さらに曲として高い音を歌うと、何か発信器の音みたいですし。ハマるとそこが魅力なんですが。

    あとは「アメリカのバンド」として聴くと、カンサスなどと比べ、メロトロンの使い方や、カントリー臭さのないバイオリンに、ブリティッシュロック的な面が感じられるのが、ある意味“特徴”なのかもしれませんね。

    TAKAMO

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