2009年4月4日土曜日

「アイズ・ワイド・オープン」キング・クリムゾン

原題:Eyes Wide Open
(The Power To Believe)収録 






さあやって来た、また新たな一日が
そして実現に向けた新たな決断が
さあやって来た、好みのものを作り出してくれる
カラーディスプレイが
さあやって来た、ドアをノックする音が
好機を逃さないようにドアを開けるんだ
ああやって来た、また新たな一日が
思い出にするための一日が

目を見開く
常に目を広く見開いておく

そしてそんなことがあった
それは完璧な一シーンだった
君は寝ていたの、それとも起きていた?
そんなこともあった、それは君の心を言葉にするのに
完璧な瞬間だった
そんなこともあった、一生に一度のチャンスだった
それはあっという間に過ぎていった 君は何をした?
そんなこともあった、またやってきた一日
思い出となる一日が


目を見開く
常に目を広く見開いておく

僕は目を見開いておかなければ
常に見開いておかなければ
だって君に何が見えるか
君にはわからないじゃないか


Here it comes, here comes another day

Another decision o
n the way
Well here it comes, here comes a color display
of preferences to make

Well here it comes, here comes a knock on the door

Open it for an opportunity

Well here it comes, here comes
another day
for memories to be made


Eyes wide open

Eyes wide open all the time


'n there it was, it was a perfect take
and were you asleep or awake?

There it was, it was a perfect time

to speak your mind

'n there it was, it was a chance of a lifetime
It flew right by and what did you do?

Well there it was, it was another day

for memories to be made

Eyes wide open

Eyes wide open all the time
I've got my eyes wide open

Eyes wide open all the time


Because you never know

what you might see...


【解説】
現時点でのKing Crimson最新作「The Power To Believe」(2003)の一曲。このアルバム中では一番ポップな曲と言える。タイトなドラム、多重録音によるボーカルハーモニー、クリアーなギターと憶え易いサビの部分。そして中間部のフワフワしたギターソロ。ノリは悪くないんだが、アルバム全体のシリアスな雰囲気を壊さないような緊張感がある。

歌詞には「I」と「you」が出てくるが、一応ボーカル(Adrian Brew)が男性なので、「I=僕(男)」、「you=君(女)」と仮定して解釈してみる。
第1連が現在からこれからのこと、第3連が過去のことを述べている。現在の「僕」が目を広く開けて、あれが来た、これが来たとチェックする。そこには「新たな一日」、「実現すべき決断」、「好機」、「思い出とすべき日」と、前向きに何か新しいもの、新しい出来事を期待する態度が見て取れる。

そのために第2連にあるように、目を見開いて、すべてを見落とさないようにしているのだ。
なぜそこまでするのか。その理由が恐らく第3連に述べられている。「eyes wide open」は第4連にある「I've got my eyes wide open」の意味で使われていると解釈した。

まず第3連に出てくる「'n 」は「and」の省略形。第3連では過去のことに内容が変わる。それも「君(you)」との関係における決定的な瞬間(perfect take)、(perfect time)、(the chance of a lifetime)について語られている。しかし、その時「君」は「寝ていたのか起きていたのか?」という状態、あるいはその瞬間はあっと言う間に過ぎ去って「君は何をしたの?」と言われる状態だった。チャンスは活かされなかったのだ。

「君」は恋人だったのかもしれない。あるいは「僕」にとって、恋人になりたい相手だったのかもしれない。君がもっと状況をわかっていれば、そのチャンスをいかせていれば。しかし君が「自分の心を言葉にする最高の瞬間」を恐らくムダにしてしまったのだ。

だから「僕」が目を見開いて次のチャンスを待とうとしている。思い出に残るような「君」とのチャンスを、「君」に代わって待とうとしている。君が抱えている心を言葉として引き出し「君」との関係を深めるために。「一生に一度のチャンス」だったから、それはもう二度と来ないかもしれないのに。

大1連の積極的な「僕」の姿勢が、第3連の、実は空しい思い出から来ているという構成が上手い。最初感じたやり手のビジネスマンのような「僕」が、少し哀れで純朴な、彼女のことで頭が一杯な人として見えてくる。ちょっと痛々しいくらい。

でも、例え弱々しくても、それがアルバムタイトル「The Power To Believe(信じる力)」につながっていると言えるのかもしれない。今必要なのは、例えわずかであっても希望を持ち続けることなのだ。

ちなみにわたしの持っているCDに付属していたブックレットには、歌詞が間違って印刷されていた。「Here comes a bury parade」という表現は歌われてはいない。「Here comes another day」である。

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