2009年4月6日月曜日

「セックス・スリープ・イート・ドリンク・ドリーム」キング・クリムゾン

原題:Sex Sleep Eat Drink Dream

■「THRAK」(「スラック」)収録







セックスして 寝て 食べて 飲んで 夢を見る
根源的 原始的 リンゴで 卵で 野菜で ウナギ
オレは新しいカヌーを持ってるんだが ハンドルがないんだ

個人的 ビロード的 動物の オールズモビルの 心
オレは暖炉の中にいて 時間を燃やし尽くしているんだ

個人的 ビロード的 動物の 空っぽの テレビ
奴らはキッチンでフィッシング(釣り)をしている
でも奴らはまだオレには追いついていないぜ

根源的 原始的 化学的 デジタルな 夜
ちゃんと服を着て 自分の心から外へ出なければ

セックスして 寝て 食べて 飲んで 夢を見る

sex sleep eat drink dream

primal tribal apple egg vegetable eel
i have a new canoe but it does not have a wheel

private velvet animal oldsmobile mind
i'm sitting in the fireplace burning up my time

private velvet animal empty t.v.

they're fishing in the kitchen

but they haven't caught up to me


primal tribal chemical digital night
i've got to get dressed to go out of my mind

sex sleep eat drink dream

【解説】
ダブルトリオとして復活した「Thrak(スラック)」からの一曲。いきなり「sex sleep eat drink dream」とくると、下世話な内容か、虚無的なメッセージかと思ってしまうが、第1連に出てくる「根源的」「原始的」というあたりと関係がありそうだ。言葉の羅列は、あまり品詞にこだわってもいないようだ。

歌詞に羅列される言葉は、現代の生活で使われるような身近なもの。
「sex sleep eat drink dream」を生きることの基本と捉えると、その他の単語の羅列は実際の、複雑で雑多で混乱した日常を、ただ思いつくまま並べたような感じ。ちなみに「Oldsmobile(オールズモビル)」はアメリカ製の乗用車のこと。

ポイントは第1連最終行の「カヌーはあるがハンドルがない」とか、第2連「暖炉の中にいて時間を燃やしている」などの、無為に過ぎていく生活、人生を感じさせるところ。第3連の「キッチンでフィッシング」も、韻を踏ませた言葉遊びだが、同じように無意味な行為を示していそうだ。

しかし「彼らはまだオレに追いついていない」という「オレ」は、ではどんな面で先を行っているのか。前向きに解釈するとすれば、第4連の「ちゃんと服を着て 自分の心から外へ出なければ」という部分かもしれない。ここだけ「I've got to」と「しなければならない」という言葉が使われている。「義務」か「意思」だ。無為な生活、無為な生き方に染まった自分の心から、もう一度「get dressed(服を着て、正装して)」新しい自分を探そうとしているのか。

そして残るのは
「sex sleep eat drink dream」の扱いだ。これは肯定的に取りたい。生きる上での基本だよと。もう一度その基本を確認しているような感じに聞こえるのだ。いいじゃない、難しく考えなくても、生きる基本はセックスして、寝て、食べて、(酒を)飲んで、夢を見ることだよ、って。毎日生きていくことがややこしいからこそ、単純な生き方をもう一度自分に言い聞かせているように思える。

さていかがであろうか。


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