原題:Symphony
■「GROBSCHNITT」
(冥府宮からの脱出)より
ぼくは君を見ようとしている
ぼくの両目で君をとらえようとしている
ぼくは君に会おうとしている
この手で君に触れようとしてる
近くで君を感じたい
近くで君の声を聞きたい 聞きたい
今夜君をぼくのものにしたい
あぁ、でも君はただぼくのそばを歩いていくだけ
ぼくは君をぼくのものにしたい
頃合いを見計らって
ぼくは君を手に入れたい
ぼくのものにしたいんだ
ぼくは君と暮らしたい
いっしょにいたい いたい
今二人でいたいんだ
でも、ねぇ君、それにはどうしたらいいか教えてくれないか?
I am trying to see you
Trying to catch you with my eyes
I am trying to meet you
Trying to reach you with my hand
Try to feel you near me
Try try try to hear you near me
Try to make you mine tonight
Ah. but you are walking by
I am gonna to get you
Gonna get you just in time
I am goona to have you
Gonna make that you are mine
I'll make you living with me
Make make make you stay with me
Make us stay together now
But can you baby? You tell me how
【解説】
ドイツのバンド、グロープシュニット(Grobschnitt)の同名のデビューアルバムの冒頭の曲である。バンドは初期の頃から自作ライティングシステム、メーキャップ、パントマイムなど、演劇的要素を盛り込んだステージを行っているが、その妖しさはすでにこのアルバムにも滲み出ている。
この「至福の歌」の音楽的特徴は、最初に調子っぱずれのコーラスからボーカル部分が歌われ、その後14分近い本作のほとんどがインストゥルメンタル・パートとなる点。ボーカルパートはダブル・ドラム編成を活かしたパーカッシブで乗りのよいパート。しかし何かが妖しい。ドラムが2セットあるのにハイハットをダブルで刻んだり、スネアが小太鼓的な使われ方をしたり、どっしりとしたロックな力強さがないのだ。この不思議な音空間が実はグロープシュニットの本デビューアルバムの魅力でもある。
インストパートは実際の弦楽器の音が入るところから始まり、その後は若干ピンク・フロイドに似て、スローテンポにオルガンが鳴る中で、ギターのソロが続く。中盤から後半の盛り上がりが聞き所。ただフロイド的な浮遊間や間の妙みたいなものはなく、ギターは弾きまくっている。鳴り続けるオルガンとピアノが美しい。終盤エレクトロニクスSEが飛び交うあたりが妖しさを倍増させる。
歌詞は、よく言えば一人の女性に一途、悪く言えば妄想ストーカーのような内容である。「〜しようとしている」の繰り返し。努力しているのだろうが、「君は近くを歩いているだけ(you are walking by)」なのだ。
第2連は「Try」という動詞で始まっているが、第1連につながる「話者」の気持ちだとわかるため、すべて「I try」の省力として解釈した。つまり内容的に第1連と同じ、「話者」の行動、それも相手に伝わらない独りよがりの行動、あるいは行動にもなっていない強 い願望である。
「gonna」は「goinng to」のくだけた綴り。「〜するつもりだ、〜しようと思っている」の意。「just in time」は「ちょうどよい時に」。最後の「Can you baby? You tell me how」は、「Can you tell me how baby?」ということを「話者」が、言いよどみながら表現したと取った。
サウンドも妖しいが、歌詞もどことなく妖しい。もしかしたら「ぼく」は「君」とは一度も話したことがないんじゃないか、「君」は「ぼく」のことを全く知らないんじゃないか、そんな気さえしてしまう。冒頭の神聖な合唱隊のイメージを崩す調子の外れたコーラスの暗さが思い出される。
ボーカルパートのサウンドは威勢がよくスリリングですらあるが、若干ドラムのリズムがもたつく。そして後半のインストゥルメンタル部分は陰鬱そのものである。和訳タイトル「至福の歌」ということなのなら、「ぼく」個人の中で閉じた至福かもしれない。想いをつのらせ想像をたくましくさせて喜びに浸っている至福。現実には「僕」は、インストゥルメンタルパートに見られる闇の世界にいるかもしれない。
何とも不思議なサウンドのグループである。その不思議さがジャケットの不気味さと結びついて、独特の暗い魅力を発散している。
なお英詞は日本版LPに載っていた英文歌詞を使った。
■「GROBSCHNITT」
(冥府宮からの脱出)より
ぼくは君を見ようとしている
ぼくの両目で君をとらえようとしている
ぼくは君に会おうとしている
この手で君に触れようとしてる
近くで君を感じたい
近くで君の声を聞きたい 聞きたい
今夜君をぼくのものにしたい
あぁ、でも君はただぼくのそばを歩いていくだけ
ぼくは君をぼくのものにしたい
頃合いを見計らって
ぼくは君を手に入れたい
ぼくのものにしたいんだ
ぼくは君と暮らしたい
いっしょにいたい いたい
今二人でいたいんだ
でも、ねぇ君、それにはどうしたらいいか教えてくれないか?
I am trying to see you
Trying to catch you with my eyes
I am trying to meet you
Trying to reach you with my hand
Try to feel you near me
Try try try to hear you near me
Try to make you mine tonight
Ah. but you are walking by
I am gonna to get you
Gonna get you just in time
I am goona to have you
Gonna make that you are mine
I'll make you living with me
Make make make you stay with me
Make us stay together now
But can you baby? You tell me how
【解説】
ドイツのバンド、グロープシュニット(Grobschnitt)の同名のデビューアルバムの冒頭の曲である。バンドは初期の頃から自作ライティングシステム、メーキャップ、パントマイムなど、演劇的要素を盛り込んだステージを行っているが、その妖しさはすでにこのアルバムにも滲み出ている。
この「至福の歌」の音楽的特徴は、最初に調子っぱずれのコーラスからボーカル部分が歌われ、その後14分近い本作のほとんどがインストゥルメンタル・パートとなる点。ボーカルパートはダブル・ドラム編成を活かしたパーカッシブで乗りのよいパート。しかし何かが妖しい。ドラムが2セットあるのにハイハットをダブルで刻んだり、スネアが小太鼓的な使われ方をしたり、どっしりとしたロックな力強さがないのだ。この不思議な音空間が実はグロープシュニットの本デビューアルバムの魅力でもある。
インストパートは実際の弦楽器の音が入るところから始まり、その後は若干ピンク・フロイドに似て、スローテンポにオルガンが鳴る中で、ギターのソロが続く。中盤から後半の盛り上がりが聞き所。ただフロイド的な浮遊間や間の妙みたいなものはなく、ギターは弾きまくっている。鳴り続けるオルガンとピアノが美しい。終盤エレクトロニクスSEが飛び交うあたりが妖しさを倍増させる。
歌詞は、よく言えば一人の女性に一途、悪く言えば妄想ストーカーのような内容である。「〜しようとしている」の繰り返し。努力しているのだろうが、「君は近くを歩いているだけ(you are walking by)」なのだ。
第2連は「Try」という動詞で始まっているが、第1連につながる「話者」の気持ちだとわかるため、すべて「I try」の省力として解釈した。つまり内容的に第1連と同じ、「話者」の行動、それも相手に伝わらない独りよがりの行動、あるいは行動にもなっていない強 い願望である。
「gonna」は「goinng to」のくだけた綴り。「〜するつもりだ、〜しようと思っている」の意。「just in time」は「ちょうどよい時に」。最後の「Can you baby? You tell me how」は、「Can you tell me how baby?」ということを「話者」が、言いよどみながら表現したと取った。
サウンドも妖しいが、歌詞もどことなく妖しい。もしかしたら「ぼく」は「君」とは一度も話したことがないんじゃないか、「君」は「ぼく」のことを全く知らないんじゃないか、そんな気さえしてしまう。冒頭の神聖な合唱隊のイメージを崩す調子の外れたコーラスの暗さが思い出される。
ボーカルパートのサウンドは威勢がよくスリリングですらあるが、若干ドラムのリズムがもたつく。そして後半のインストゥルメンタル部分は陰鬱そのものである。和訳タイトル「至福の歌」ということなのなら、「ぼく」個人の中で閉じた至福かもしれない。想いをつのらせ想像をたくましくさせて喜びに浸っている至福。現実には「僕」は、インストゥルメンタルパートに見られる闇の世界にいるかもしれない。
何とも不思議なサウンドのグループである。その不思議さがジャケットの不気味さと結びついて、独特の暗い魅力を発散している。
なお英詞は日本版LPに載っていた英文歌詞を使った。
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