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2009年9月3日木曜日

「ゴーイン・アウェイ」タイ・フォン

原題:Goin' Away

「恐るべき静寂」(TAI PHONG)収録








Goin' Away / 旅立ち

僕は行くよ
行き先はわからない
でもそんなことは問題じゃない
とにかく言えるのは
世界を見たい
毎日新しい街を見て回りたいってことだ
どこであれ ここよりましだろう
僕をバカだと皆は言うだろう
僕はうまくいかないかもしれない
でも皆はわかっていないんだ
自分たちがただじっと祈っているだけだってことを

旅立ち
新しい友や人々との出会い
行く先々で
どんな人と出会うかなんて分からない
新しい愛も残していきたい
そうすれば様々な感情が最後に流れ出すことができるから
どこであれ ここよりましだろう
僕をバカだと皆は言うだろう
僕はうまくいかないかもしれない
でも皆はわかっていないんだ
自分たちがただ祈ってじっと待っているだけだってことを

僕は自分の道を進む
そして新しく何かを始めることを
そして心を開くことを学ぶんだ
僕は自分の道を進む
空高く飛ぶ日が来るのを待ちながら

今とは違った空や木を見るだろう
まるで朝の陽の光を浴びた心の中のように
長い時と長い努力が必要だろう
でも希望を持つことを学びたいんだ
やり続けるには十分な理由さ

そしてもしいつの日か道ばたで
ちょっと落ち込んでいる僕を見かけても
あまりに重い荷物を背にして
僕が疲れて弱りきっていても
間違っていたじゃないかなんて言わないでくれ
まっすぐ故郷へ帰りななんて言わないでくれ
そう思っても黙って笑ってくれる方が意味があるだろう
あるいはもう少しましなこととしては
行くべき道を示し
さようなら、またいつか会いましょう」と言ってくれないか
そして僕のことは知らないと言ってくれないか
決して悪いようにはしないから


I'm going away
I don't know where
But it doesn't matter
Any way I can say
I want to see the world
Another city every day
Anywhere's better than here
They say I'm fool
And I will fail
But they can't understand
They'er just waiting and praying

Goin' away
Meeting new friends and poeple
I didn't know they could be
On my way
I want to leave a new love
Then feelings finally can pour
Anywhere's better than here
They say I'm a fool
And I will fail
But they can't understand
They're just praying and waiting

Oh I'm on my way
I'm gonna learn a new start
And open my heat
Oh I'm on my way
Waiting for the day
When I'll find I can fly

I'll look at another sky and a tree
As it is in my mind in a sunny morning
It will take a long time
And long work, yes I know
But I've got to learn hope
It's enough to go on

And if sometime you see me
Kind of blue along the road
If you see me down and tired
Carryin' such a heavy load
Don't say I was wrong
Don't say I should come straight home
It would be mean to be laughing that way
Or doing me one better
So just show me the way
say au revoir tomorrow
Tell me you haven't seen me
And you I won't ever do wrong


【メモ】
まず手元のCDのブックレットに書かれていた英語歌詞は、日本版LPと同じLinda Hennrickという方によって聴いて書き取られたものである。しかしCDブックレットはLPの英文の一部が抜けていたり、単語が違っていたりしているため、ここで採用しているのはCD(1997年発売の国内版)ではなく、日本版LPのものを採用した。

ベトナム系フランス人を核として「Sister Jane(シスター・ジェーン)」などのシングルヒットも含まれたファースト・アルバム「Tai Phong(恐るべき静寂)」の最初の曲である。言わば最初にTai Phongの世界に触れる曲だ。2曲目が泣きの名曲「Sister Jane」なので、そちらの印象の方が強くなりがちだが、この曲も特異な声質のボーカルの魅力や、なまめかしく美しい中間部の二人のギターソロなど、曲としての完成度は高い。すでにTai Phongの魅力全開と言ってもよい。

そしてこの前向きな歌詞である。確かにある意味「Somewhere over the rainbow(虹の彼方に)」的な、ここではないどこかに自分の夢が叶う場所があるという、若者の抱きそうな思いを綴った内容ではある。

しかし「僕」は、その「どこか」を夢見ているだけではなく、そこを探して旅立とう(going away)としているのだ。「just waiting and paying(ただ座して祈っている)」だけじゃなく、自ら夢に向って行動しようとしているのだ。

「I will fail(うまくいかないかもしれない)」という恐れもある、さらにどこかの道ばたで「kind of blue(ちょっと落ち込んで)」いたり、もしかすると思い荷を運び「down and tired(弱り疲れて)」いるかもしれない。「heavy load」は生きて行くための苦悩として比喩的に使われていると考えてもいい。「down」は文字通り「倒れて」いるとも取れる。

しかしそんな「僕」を旅先で目にしたとしても、そら見たことかとか、すぐに故郷へ帰れとか言わないで欲しいと「僕」は言う。そう思っても、ただ「laughing(笑って)」くれと。あるいは、できるなら進む道を示してくれたらうれしいと。

そして「au revoir(good bye)」と言って手を貸さずに去って欲しいと。「tomorrow」は「明日」ではなく、「将来、いつか」と解釈した。

そして僕を「見知らぬ人(見たことの無い人)だと思って欲しい」、あるいは「見なかった(そこで会わなかった)ことにして欲しい」と「僕」は願う。

あくまで例えそれが大きな苦難であり、思い通りに行かない生活であっても、決してそこから逃げずに進んで行こうとしているのだ。故郷の知り合いの手助けもいらないし、手助けを必要としているように思われたりれ触れ回られたりしてほしくないのだ。

第2連で「leave a new love」とあるが、「love」には主に女性に対して使う場合に「恋人」という意味もある。「新しい恋」あるいは「新しくできた恋人」すらも残して行く覚悟なのだ。それがこれからの旅路における、自由な感情の発露を可能にしてくれるだろうから。

だから最終連で呼びかけている「you」は、この恋人のことを指しているのかもしれない。とすれば、この曲全体が、愛しい恋人への別れの歌だという捉え方もできる。自分のこれからの人生のために、自分の可能性を広げるために、今愛しい君とも別れて「僕」は旅に出る。そういう選択をしたんだという決意を伝える歌だとも言える。

ある意味男らしい歌。そして2曲目の「Sister Jane」がある意味女々しい歌。この落差もアルバム構成上の妙なのかもしれない。
  

2009年4月20日月曜日

「闇の彼方へ」タイ・フォン

原題:「Out Of The Night」

「恐るべき静寂」(TAI PHONG)収録







先日の夜わたしは奇妙な夢を見た
わたしは雲の上に浮かんでいた
そこは楽園の中
友がいた
何年か前に失った人々の姿が

  目はしっかり見開いているのだが
見ることができなかった
私は雲の中で一人
私は一生懸命夢が消えないようにしたけれど
その時涙が流れ始めたのだった

   夜のとばりから
雷鳴と稲妻がやって来た
私は嵐に巻き込まれた
風の吹き荒れる音は
私の理性を完全に吹き飛ばした
夜明けが来ることを待っていた時に
あまたある行く手に沿って進み
わたしは自分の道をみつけ
かなり内部を歩こうと待ち続けた
何かの名前を呼んだが
そこへ至ることはできなかった
だからと言ってできるこは他には無く
私は大胆なほどに涙を流し
翼を広げると
ゆっくりとベッドへと戻っていったのだった
夜が終わり
昼も終わることができると思った時
わたしは夜明けの罪深さがわっかったのだ


I had a funny dream the other night
I was a-floating on a cloud
It was in paradaise

My friends were there

The ones I lost some years ago


Although my eyes were bright
I couldn't see

I was alone amidst the cloud
I tried so hard

To keep my broken dream

But then my tears began to flow


Out of the night
Came the thunder and the lightening

I was caught by the storm
The howling wind
Made me lose my head completely

As I wait for the dawn

Along the many paths
I found my way

Waiting to walk some inside

I called the names some things
But to be there
But there was nothing I could do
I cried some hardy tears
And spread my wings
And let my self crawl back to bed
When night is over

And day can cease
I found it guilty of the dawn

(All lyrics transcripted by Linda Hennick
LPインナースリーブ記載)

【解説】

Thai Phong衝撃にデビューアルバムより、最終曲「Out Of The Nihgt(闇の彼方へ)」である。嵐のようなSEで始まる11分半に及ぶアルバム最大の大曲。

ゆったりしたリズム、背後でなり続けるオルガンに乗って優しく歌われる様は、ピンク・フロイド的である。しかし甘いメロディーと女性的な柔らかい声のせいでフロイド的な神秘さよりも、詞の内容にマッチした甘美さが全面に出ている。

詞は自分が見た夢について書かれれている。最初の連で出てくる「I was a-floating on a cloud」の「a-floatnign」は、古語や方言でdoing形の前につくa-と解して、「I was floating on a cloud」と同義に訳した。したがって、先日の夜見た夢の中で、「わたし」は雲の上に浮かんでいたのだ。そこは楽園であり、すでに失った友たちがいることにも気づいた。

「paradise(楽園)」には「heaven(天国)」の意味もあるので、「The ones I lost」は「失った友だち」とも「死んでしまった友だち」とも取れる。

しかし「友がいた」と言っているだけで、「会った」とも「話した」とも書いてはいない。あくまで「楽園」の中で、見かけただけなのだ。

第2連ではすでに、その夢は薄れかけている。目を見開いてはっきりと見ようとするのだけれど、結局見えていた友の顔も見えなくなり、「わたし」は雲の上で一人になる。喜びはつかの間だったのだ。

その夢の世界が消え去らないようにと願っているが、結局それはかなわないとわかっているからか、涙がこぼれてきたのだ。それは夢が消えることの悲しみというより、失った人をかいま見ることによって、再び失った悲しさがこみ上げてきたのかもしれない。

第3連、ここで曲の最初のSEのように、闇のとばりより雷鳴と稲妻が轟く。嵐の中で物事を考えることは全く出来なくなり、私はもう夜が明けるのを待っているのみ。

サウンド的にも嵐が去ったような静けさが戻る第4連、やがて理性を取り戻した「わたし」は再び自分の道を見つける。
その楽園のような場所へと通じる道を。そしてその中を歩き回ろうと思っている。再び同じ夢の中へと入っていこうとするのだ。言わば半覚醒状態。

「I called the names some things」は「I called the names and some things」と解した。友の名前などなどを呼んだのだ。「But to be there」は「to be there」(その場所へ行くために)を否定していると考える。「結局そこへは行けなかったのだ」と、前行の「I called ...」の結果の不定詞の否定。

したがって「わたし」にできることはもうなくなってしまった。「hardy」は「大胆な、向こう見ずな、勇敢な、強い」という、プラスのイメージの言葉。しかしここでは打つ手の無くなった自分が涙を流す様子の凄まじさを描く一言か。

ついに夢の世界へ戻ることをあきらめた「わたし」は「翼を広げベッドへと静かに戻る」のである。この自分の意志で「翼を広げた」時点で、「わたし」は夢から覚醒しているのかもしれない。意識して「楽園」を後に、眠りの世界へと戻ろうとしている。

そして夜も終わり、昼間も終わりまた夜がやってくる。しかし夜の帳を開けるのは「dawn(夜明け)」である。雷鳴と雷光に理性を失っていた私が求めていた「夜明け」はまた、「不思議な夢」が現れるような夢の時間を終わらせる時なのだ。

この歌は理屈でどうこうと言うよりも、懐かしい友のいた不思議な「楽園」の夢の世界と、現実の雷鳴と落雷に動揺する「わたし」の、夢と現実が交錯する幻想的な感覚を表しているようだ。「楽園」に行けなくなったことを嵐のせいにしているわけでもない。偶然が織りなした不思議な夜の体験。嵐の動と夢の静の対比。

曲は最後に雨音で終わる。まだ嵐は終わってはいないかのように。そして実は夢の世界はまだ終わっていないかのように。

2009年3月22日日曜日

「ゲームズ」タイ・フォン


原題:Games

■「
Windows(ウィンドウズ)収録








ゲーム 君はのゲームの中でぼくを見失った
ゲーム それは決して同じようには終わらない
泣きなさい 涙をためこまないで
時が のすべての恐れを消し去ってくれるでしょう

ゲーム 金の砂に洗われて
ゲーム あなたと二人手をつないで
空まで高く立ち上る波
夜が終わるまで飛び続けたこと

愛は消えてしまった もし君が残るとしても 僕を自由にしておくれ
君は僕にとって掛け買いのない人だってことがわからないのかい

Gemes you lost me in your games
Games Just never end the same
Cry don't retain all your tears
Time will vanish all your fears

Games washed by the golden sand
Games you and I hand in hand
Waves rising high to the sky
Fly till the end of the night

Love is gone if you stay let me have my way
Cant't you see you're the one


【解説】
フランスの叙情派プログレッシヴ・ロックバンドタイ・フォン(Thai Phong)のセカンド・アルバムから「Games」(ゲームズ)である。ファースト同様セカンドも傑作アルバムであるが、ドラムのリズムの切れや全体の音のまとまりなどは、さすがにファーストより完成度が高い。しかしそれは好みの問題。どちらも叙情的な音としては一級品。

この「Games」は、丁度ファースト・アルバムのシングルヒット曲「シスター・ジェーン」と同じような曲調の、切々とハイトーンボーカルが感情を込めて盛り上がっていく曲だ。曲順としてもアルバム2曲目。

ただし歌詞を見てみると、「シスター・ジェーン」とは正反対の内容。「シスター・ジェーン」が自分を捨てていった女性に、オレを捨てて行かないでくれと訴え続けるのに対し、この「Games」では、男が女を残して去って行くという歌詞だ。

まずタイトルの「Games」。ゲーム。つまり恋愛だと思っていたのに、君はゲームでもするように楽しんでいただけなんだな、という男の気持ちだ。gamesと複数になっていて、歌詞の中でも「just never end the same」とあるように、男は彼女が男を手玉に取るゲームを楽しんできた中の一人、でもいつも同じように君の思う通りにはならないんだよ、ということか。

女は泣いている。しかし男はゲームのような関係に疲れ、愛を失ってしまったのだ。時が恐れを消し去り、きっとその辛さを癒してくれるだろうと言いながら、君がここに残る(このままを望む)としても、僕は去らせて欲しいと言う。

「Love is gone(愛は消えてしまった)」と言いながら、「let me have my way」はお願いする言い方だ。だからもしかすると別れないのかもしれない。gameをするような恋愛の仕方はやめようと、女にわからせようとしているのかもしれない。この悲しく感情がほとばしるようなメロディーやボーカルを聴いていると、そんな気もしてくる。男も彼女を愛しているのだ、ゲームのような恋愛に疲れていたとしても。

最後の行の「Can't you see you are the one」が難しい。「one」だから「一人」、つまり「君はもう一人になんだって気がつかないのかい」となりそうな気もする。しかし「the one」という言い方がひっかかる。それなら「You are alone」とか言いそうな気がするのだ。

そこで「the one」を「選ばれた人」という風に解釈した。つまり「本当にただ一人君のことだけが好きなのに、わからないのかい」と。あぁ〜泣ける。

2連は2人の幸せな時を思い出しているのか。だからこそ悲しいのだ。幸せだった時間があるからこそ悲しさは大きくなるのだ。曲のイントロに聴こえる潮騒の音がダブる。

「Games」は「Sister Jane」ほどストレートな愛の表現はない。むしろ一見冷静な別れの宣言に見える。立場も残された側ではなく去る側だ。しかしこの歌詞がメロディーに乗る時、「Sister Jane」と同じくらいに、愛する苦しみや別れる悲しみに満ちてくる。曲の構成が二番煎じ的ではあるが、やはり胸を打つ名曲と言えるだろう。

 

2009年2月14日土曜日

「シスター・ジェーン」タイ・フォン



あぁ シスター・ジェーン
君は私を盲目にしたまま去り 僕は途方に暮れている
あぁ シスター・ジェーン
僕に対して 太陽を沈ませないで
悟ろうとしないで
僕が 崩れ落ちないように助けて

あぁ シスター・ジェーン
君は僕の生き方を変えた そして
あぁ シスター・ジェーン
君は僕を一人残して去っていった でも今
僕の心は素直になり
君が与えてくれた日の光に 手が届くようになった

ここにやって来て
お願いだから 僕の目をのぞき込んで
僕は本当に泣きたい
だって一人ぼっちで 悲しみに沈んでいるのが辛いから
 



 Ah, Sister Jane
 You left me blind and I'm lost
 Ah. Sister Jane
 Don't let the sun go down on me
 Don't want to wake you
 Save me from falling down

 Ah, Sister Jane
 You changed my way of life and
 Ah. Sister Jane
 You left me all alone but now
 My mind is open
 I reached the day you brought

 You should go and see
 Please, look in my eyes
 I just want to cry
 'Cause it's hard to be
 All alone and blue


【解説】
「THAI PHONG」は、フランスのプログレッシヴ・ロックバンドであるタイ・フォン(Tai Phong:当時は「タイ・フーン」と書かれていた)の1975年のデビューアルバムである。バンド名がそのままアルバムタイトルになっているわけだ。

ギ ター&ボーカルとベース&ボーカルを担当する、ベトナム系のプレーヤー2名が中心になって結成されたバンドで、ボーカルが東洋人系の声質である点がまず大 きな特徴である。声質の好き嫌いはあるだろうが、歌は非常に上手く、ハイトーンを活かした情感豊かなボーカルは、タイ・フォンの大きな魅力であるし、独特 な声質も、繊細なイメージにつながる大きな個性だと思う。

そんなボーカルに力のあるバンドの、ボーカルの魅力を全面に出したシングルヒッ ト曲がこの「シスター・ジェーン(Sister Jane)」である。アルバムの中ではインストゥルメンタル部分も多いのだが、この曲に関しては完全にボーカル曲、それもドラマチックに盛り上がる4分ほ どの愛の歌である。そのメロディーの美しさ、ピアノから入って次第に盛り上がっていくアレンジの上手さ、ハイトーンを活かしたボーカル表現の素晴らしさ で、名曲の誉れ高い一曲だ。

しかし詞は単純な内容である。シスター・ジェーンに去られた男が、帰って来てくれ、一人ぼっちにしないでくれと、ただただ訴えている曲である。「僕の心は素直になり(My mind is open)」と今の心境の変化を伝えている。僕は前の僕ではなくなったんだと。

“I reached the day you brought.”は、「君が与えてくれた日に僕は到達した」というと意味がよくわからない。一連で「盲目(blind)」、「太陽を沈ませないで (Don't let the sun go down on me)」とあるのを受けて、ここでは“day”を「日の光」と訳してみた。「今までは君が投げかけてくれていた日の光に気づかずにいたけど、それがわかる ようになったんだ」と、ここでも僕が変わったことを訴えていると考えた。

しかし最後は泣き落とし(I just want to cry)である。情けないというか何と言うか。でも別の味方をすれば、飾らないストレートな表現だとも言える。だからこれが切々としたメロディーの感極 まったようなボーカルに乗ると、感動的に聴こえてしまうんだなぁ。名曲ってそんなものですよね。単純だからこそ不変な魅力がある。曲は上の3つの連を繰り 返しながら終わる。

ちなみにタイトルにもなっているシスター・ジェーンであるが、ジェーンはこの男を捨てた女性の名前だとして、このシス ター(sister)は何かが気にかかるところ。「姉、妹」だとマズいだろうし、「修道女」だと置き去りにはしないだろう。sisterにはこの他に「親 しい女の人」という意味がある。これが一番しっくりくるか。訳すとしたら「僕のジェーン」かな。未練たらたらだからな、この男。呼びかけ方にもそれが出て るといったところかな。

それから余計なことかもしれないが、一回目に歌う時だけ1連の「僕に対して 太陽を沈ませないで」部分の英語が「Don't let the sun go down on me」ではなく「Don't have the sun go down on me」に聴こえる。意味は変わらないんだけど。