原題:Close to the Edge
I. Solid Time of Change / Yes
■Close to the Edge(危機)収録
I. 連続した変革の時
経験豊かな魔女が あなたを恥辱の底から呼び戻し
あなたの中に生きる者を 強固な精神的優美さへと再構成することができた
それを 遠くから素早くやってくる音楽を使って 完全に成し遂げ
時に反して全てを失ってしまった人の果実を味わうことができた
どこにもつながらない地点を見いだし、一人ずつ先導しながら
露の一しずくは 太陽の音楽のように 私たちを高め
私たちが動く時に伴う痛みを取り去り
あなたが走り続ける道筋を選ぶことができる
下の終極のあたり、角のそばを回り込んだところ
急がず 急がずに
瀬戸際に迫るところ 下の川のそばで
夏の変化を囲む境界線を越えて
空がどんな色かを告げるために 手を伸ばして
私たちが目にするより速く 朝を身にまとった瞬間を次々と手渡しながら
わたしが心配すべき時を ことごとく乗り越え
全ての変化を はるかはるか彼方へと残して
私たちは 主なる存在の名前を見つけ出すまさにそのために、緊張を解き放つのだ
下の終極のあたり、角のそばを回り込んだところ
切っ先の間近 下の川のそばで
季節はあなたを通り過ぎて行くだろう
私は上昇し 私は下降する
全てが終わり、完了したから
そしてあなたが発見し、あなたが全体となったから
I. The Solid Time Of Change
A seasoned witch could call you from the depths of your disgrace
And rearrange your liver to the solid mental grace
And achieve it all with music that came quickly from afar
And taste the fruit of man recorded losing all against the hour
And assessing points to nowhere, leading every single one
A dewdrop can exalt us like the music of the sun
And take away the plain in which we move
And choose the course you're running
Down at the end, round by the corner
Not right away, not right away
Close to the edge, down by a river
Not right away, not right away
Crossed the line around the changes of the summer
Reaching out to call the color of the sky
Passed around a moment clothed in mornings faster than we see
Getting over all the time I had to worry
Leaving all the changes far from far behind
We relieve the tension only to find out the master's name
Down at the end, round by the corner
Close to the edge, just by a river
Seasons will pass you by
I get up, I get down
Now that it's all over and done
Now that you find, now that you're whole
【解説】
イエスの代表作にしてロック史に残る傑作「危機(Close to the Edge)」から、タイトル曲への無謀なる和訳への挑戦、パート1である。
まず「危機」を構成するパート名を確認しておく。
I. The Solid Time Of Change(連続した変革の時)
II. Total Mass Retain(全体保持)
III. I Get Up, I Get Down(私は上昇し、私は下降する)
IV. Seasons Of Man(人の四季)
音楽的にはIは導入部から最初のサビ(I get up, I get down)の登場まで、IIはIから続く3拍子のリズムでボーカルが歌い続けながら、バックのリズムのアクセントがズレると言う緊張感が増すパート、その緊張感が極限に達した後、IIIでは4拍子のスローなリズムで、パイプオルガンとボーカルが印象的な静かなパート、そしてリック・ウェイクマンのオルガンソロを含み、全員で突進していくようなクライマックス部分のIVとなる。
さてこのIのキーワードは「change」であろう。「変革」。
第1連を見てみよう。この連は2つの文章から成っていると考える。1つは「A seasoned witch(経験豊かな魔女)」を主語にした文章で、4行目の最後「hour」まで。1行目の「A seasoned witch could call...rearrange...achieve...taste...」と、 「could」の後に動詞が並列される。
「経験豊かな魔女」の力により、「あなた」はマイナスイメージからプラスイメージへと変革が可能だった(過去)ことが述べられる。
これに対し2番目の文章は「And assessing...」の一行を付帯状況「〜しながら」と取って、次の行の「A dewdrop(露の一しずく)を主語として、「A dewdrop can exalt...take away...choose...」と動詞が並び、第1連最後に至る。ここで「露の一しずく」が可能にしてくれる対象は「私たち」であり、やはりマイナスイメージからプラスイメージへと変革が可能である(現在)ことが述べられる。
ただし、最後に、走っている「あなた」の行くべき道を選ぶ事もできると、「あなた」にも触れている。「あなた」の解放にもつながったということか。
第2連は、以降繰り返されるフレーズが現れるが、どこかギリギリに追い詰められたようなイメージだ。そのギリギリの状態の中で、「あなた」と「わたし(達)」の変革が行われる。
第3連は「(Having) Crossed...Reaching...(Having) Passed...Leaving...」と「〜しながら」という分詞構文が続いて、主文は最後の「We relieve...」という「私たち」を主語とした文と見た。ここでははっきり「We relieve...」と事実として述べた文章なので、「A dewdrop」の力で、実際に「私たち」は「the master's name」を見つけるため、不安を追い払う。「the Master」と大文字のMを使うと「イエス・キリスト」を指すが、ここでは小文字なので、キリストに限定しない超越的な存在、神的存在と考えた。
では「あなた」はどうなったのか。第4連で「Seasons will pass you by(季節はあなたを通り過ぎていくだろう)」と言う文の中で「you」が出てくる。始めての未来形の文章である。時間とは関係なく「あなた」の在り方は決まっているということか。
しかし最後に「わたし」と「あなた」の関係性が述べられる。「now that...」は「...したからには、...した以上は、...したので」という表現。したがって「全てが終わり、完了し」「あなたが発見し完全になった」ので、「私は上昇し、私は下降する」とつながると解した。「あなた」は「完全」になっていたのだ。
以降繰り返される「I get up, I get down(私は上昇し、私は下降する)」という、抽象世界と具象世界を行き来するような、「わたし」の動きは、「あなた」が完全である事を前提、あるいは契機として、ここに始まるのだ。
さて、「わたし」と「あなた」はどうなっていくのであろうか。続く。
I. Solid Time of Change / Yes
■Close to the Edge(危機)収録
I. 連続した変革の時
経験豊かな魔女が あなたを恥辱の底から呼び戻し
あなたの中に生きる者を 強固な精神的優美さへと再構成することができた
それを 遠くから素早くやってくる音楽を使って 完全に成し遂げ
時に反して全てを失ってしまった人の果実を味わうことができた
どこにもつながらない地点を見いだし、一人ずつ先導しながら
露の一しずくは 太陽の音楽のように 私たちを高め
私たちが動く時に伴う痛みを取り去り
あなたが走り続ける道筋を選ぶことができる
下の終極のあたり、角のそばを回り込んだところ
急がず 急がずに
瀬戸際に迫るところ 下の川のそばで
夏の変化を囲む境界線を越えて
空がどんな色かを告げるために 手を伸ばして
私たちが目にするより速く 朝を身にまとった瞬間を次々と手渡しながら
わたしが心配すべき時を ことごとく乗り越え
全ての変化を はるかはるか彼方へと残して
私たちは 主なる存在の名前を見つけ出すまさにそのために、緊張を解き放つのだ
下の終極のあたり、角のそばを回り込んだところ
切っ先の間近 下の川のそばで
季節はあなたを通り過ぎて行くだろう
私は上昇し 私は下降する
全てが終わり、完了したから
そしてあなたが発見し、あなたが全体となったから
I. The Solid Time Of Change
A seasoned witch could call you from the depths of your disgrace
And rearrange your liver to the solid mental grace
And achieve it all with music that came quickly from afar
And taste the fruit of man recorded losing all against the hour
And assessing points to nowhere, leading every single one
A dewdrop can exalt us like the music of the sun
And take away the plain in which we move
And choose the course you're running
Down at the end, round by the corner
Not right away, not right away
Close to the edge, down by a river
Not right away, not right away
Crossed the line around the changes of the summer
Reaching out to call the color of the sky
Passed around a moment clothed in mornings faster than we see
Getting over all the time I had to worry
Leaving all the changes far from far behind
We relieve the tension only to find out the master's name
Down at the end, round by the corner
Close to the edge, just by a river
Seasons will pass you by
I get up, I get down
Now that it's all over and done
Now that you find, now that you're whole
【解説】
イエスの代表作にしてロック史に残る傑作「危機(Close to the Edge)」から、タイトル曲への無謀なる和訳への挑戦、パート1である。
まず「危機」を構成するパート名を確認しておく。
I. The Solid Time Of Change(連続した変革の時)
II. Total Mass Retain(全体保持)
III. I Get Up, I Get Down(私は上昇し、私は下降する)
IV. Seasons Of Man(人の四季)
音楽的にはIは導入部から最初のサビ(I get up, I get down)の登場まで、IIはIから続く3拍子のリズムでボーカルが歌い続けながら、バックのリズムのアクセントがズレると言う緊張感が増すパート、その緊張感が極限に達した後、IIIでは4拍子のスローなリズムで、パイプオルガンとボーカルが印象的な静かなパート、そしてリック・ウェイクマンのオルガンソロを含み、全員で突進していくようなクライマックス部分のIVとなる。
さてこのIのキーワードは「change」であろう。「変革」。
第1連を見てみよう。この連は2つの文章から成っていると考える。1つは「A seasoned witch(経験豊かな魔女)」を主語にした文章で、4行目の最後「hour」まで。1行目の「A seasoned witch could call...rearrange...achieve...taste...」と、 「could」の後に動詞が並列される。
「経験豊かな魔女」の力により、「あなた」はマイナスイメージからプラスイメージへと変革が可能だった(過去)ことが述べられる。
これに対し2番目の文章は「And assessing...」の一行を付帯状況「〜しながら」と取って、次の行の「A dewdrop(露の一しずく)を主語として、「A dewdrop can exalt...take away...choose...」と動詞が並び、第1連最後に至る。ここで「露の一しずく」が可能にしてくれる対象は「私たち」であり、やはりマイナスイメージからプラスイメージへと変革が可能である(現在)ことが述べられる。
ただし、最後に、走っている「あなた」の行くべき道を選ぶ事もできると、「あなた」にも触れている。「あなた」の解放にもつながったということか。
第2連は、以降繰り返されるフレーズが現れるが、どこかギリギリに追い詰められたようなイメージだ。そのギリギリの状態の中で、「あなた」と「わたし(達)」の変革が行われる。
第3連は「(Having) Crossed...Reaching...(Having) Passed...Leaving...」と「〜しながら」という分詞構文が続いて、主文は最後の「We relieve...」という「私たち」を主語とした文と見た。ここでははっきり「We relieve...」と事実として述べた文章なので、「A dewdrop」の力で、実際に「私たち」は「the master's name」を見つけるため、不安を追い払う。「the Master」と大文字のMを使うと「イエス・キリスト」を指すが、ここでは小文字なので、キリストに限定しない超越的な存在、神的存在と考えた。
では「あなた」はどうなったのか。第4連で「Seasons will pass you by(季節はあなたを通り過ぎていくだろう)」と言う文の中で「you」が出てくる。始めての未来形の文章である。時間とは関係なく「あなた」の在り方は決まっているということか。
しかし最後に「わたし」と「あなた」の関係性が述べられる。「now that...」は「...したからには、...した以上は、...したので」という表現。したがって「全てが終わり、完了し」「あなたが発見し完全になった」ので、「私は上昇し、私は下降する」とつながると解した。「あなた」は「完全」になっていたのだ。
以降繰り返される「I get up, I get down(私は上昇し、私は下降する)」という、抽象世界と具象世界を行き来するような、「わたし」の動きは、「あなた」が完全である事を前提、あるいは契機として、ここに始まるのだ。
さて、「わたし」と「あなた」はどうなっていくのであろうか。続く。
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