2009年9月7日月曜日

「マネー」ピンク・フロイド

原題:「Money」

■「狂気
「The Dark Side Of The Moon」収録







カネ 取り上げるんだ
もっと稼ぎのいい仕事をみつけりゃOKってことさ
カネ そいつは凄いモノさ
現ナマを両手でしっかりつかんで隠しておくんだ
新しい車 キャビア 4つ星最高級の白昼夢だ
自分のフットボール・チームを買うっていうのどうだい

カネ 取り戻すんだ
オレは上機嫌さ ジャック オレの大金に手を出すんじゃねぇぜ
カネ そいつは恍惚ってもんだ
オレには道徳家気取りでたわごとを言う善人なんかいらないぜ
オレは最高級ファーストクラス旅行グループの一員なのさ
仕事用のジェット機なんかも必要かもしれねぇな

カネ それは犯罪だよ
公平に分けるんだよ
でもオレの取り分には触るんじゃねぇ
カネ みんな言ってるぜ
今の世の中の諸悪の根源だとよ
でももし昇給を求めたところで
何ももらえやしなくたって驚きもしねぇだろ

「そうさ...(笑い)オレは間違っちゃいなかったぜ!」
「その通りさ、全く間違ってなんかいなかった!」
「オレは本当に正しかったのさ!」

「そうよ、完璧に正しかったんだよ。あの頭のイカレた老いぼれ野郎ならふらつき回ったあげくにアザをもらうだけだったけどな!」
「どうして誰も何かをしようとしないんだ?」
「その通りだ!」
「どうして誰も何かをしようとしないんだよ?」
「わからねぇよ。そん時はこっぴどく飲んだくれてからな!」
「オレはヤツにこう言っていたんだ。ブツは中にある、2番目の貨物の中からぶんどれるぜとな。ヤツは聞いてきた。何で11番目のじゃねえんだよって。その後オレはヤツに大声で怒鳴りながら言ってやった。何で11番貨物じゃないかって訳をな。強烈な一撃だったんだろう、それで一件落着ってわけさ」



Money, get away
Get a good job with more pay and you'er O.K.
Money it's a gas
Grab that cash with both hands and make a stash
New car, caviar, four star daydream,
Think I'll buy me a football team

Money get back
I'm all right Jack keep your hands off my stack.
Money it's a hit
Don't give me that do goody good bullshit
I'm in the hi-fidelity first class travelling set
And I think I need a Lear jet

Money it's a crime
Share it fairly
But don't take a slice of my pie
Money so they say
Is the root of all evil today
But if you ask for a rise
It's no surprise that they're giving none away


"Yeah... (laughs) I was in the right!"
"Yes, absolutely in the right!"
"I certainly was in the right!"
"Yeah, I was definitely in the right. That geezer was cruising for a bruising!"
"Why does anyone do anything?"
"Yeah!"
"Why does anyone do anything?"
"I don't know; I was really drunk at the time!"
"I was just telling him it was in, he could get it in number two. He was asking why it wasn't coming up on freight eleven. After, I was yelling and screaming and telling him why it wasn't coming up on freight eleven. It came to a heavy blow, which sorted the matter out"


【メモ】


Pink Flyodのモンスターアルバム「The Dark Side of the Moon」から、シングルヒットを記録した曲「Money(マネー)」である。

曲の最後は、このアルバムの特徴となっている、人々のつぶやきが折り重なるようにして消えていく。このつぶやきの部分はLyricWikiを参照させていただいた。

当時も感じたが、シングル・ヒットするほどポップな曲でも歌いやすい曲でもない。かなりダレた感じの7拍子のリズムを主体に、吐き出すようなボーカル。ただし中間部に目の覚めるようなロックスピリット溢れるギターソロが挿まれており、そこだけノリの良い4拍子になるという緩急の際立った構成である。

歌詞の内容は、最後のつぶやき部分とも呼応して、かなり危ない仕事をやることで大金を手にしている「オレ」の話になっているように感じられる。キング・クリムゾンの曲の「イージー・マネー(Easy Money)」、あるいはU.K.の「デンジャー・マネー(Danger Money)」とともに、「わかっちゃいるが、こういう生き方を選んじまったのさ」っていう感じが漂っている曲だ。

ただし歌詞を追っていくと、「オレ」は一匹狼的に動いているアウトローではない。仲間がいて取り分がある。そういう意味ではある種ビジネスライクに割り切っている風ではない。それしか手がないからやってるんだとでも言うような雰囲気が漂う。

それは曲のダレた感じとも共通する。大きなことは言っているが、そこに後ろめたさや卑屈さを感じるのだ。あるいはそれがこの曲のメインであって、大金云々という話はすべて「four star daydream(四つ星クラス最高級の白昼夢)」ではないかと思うくらいだ。

そしてPink Floydらしいのがラストの一文。「賃上げを要求したって何の返答もないさ、驚くにもあたらない」という社会批判。しかしそれは批判というよりは現実認識であって、この文を以て「マネー」が反体制的な曲だというわけでは決してないだろう。

やはり「諸悪の根源」だとわかっていながら、カネを求めざるを得ない、現代社会の有り様や、人間の悲しさ、どうしようもない業のようなものを、シニカルに歌っているのだ。

それが明確な社会批判へと転じるのは「アニマルズ(Animals)」を待たなくてはならない。


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