原題:Song Within A Song
■「Moonmadness
(ムーンマッドネス『月夜の幻想曲』)」
太陽が空から消え去った
さぁ もう目を閉じてもいいよ
明日が来るまで世界のことは忘れよう
夢とは歌のようなもの
あなたを導き続けてくれる
笛吹きが曲を奏でるから付いて行くんだ
空のずっと向こう側
方法も理由も知らないけれど
あなたはこの感情が永遠に続くとわかる
そしていつの日か
あなたの夢が奪い去られることがあっても
あなたとその歌とはいつも一緒にいられるんだ
The sun has left the sky
Now you can close your eyes
Leave the world behind until tomorrow
The dream is like a song
It leads you on and on
The piper plays his tune so you must follow
So far beyond the sky
Not knowing how or why
You realize this feeling is forever
And though another day
May steal your dreams away
You and the song will always stay together
【解説】
「永久の調べ(Song Within A Song)」は、Camelのオリジナルメンバー最後のアルバム「Moonmadness(月夜の幻想曲)」(1976年)から、2曲目だけれど最初のボーカル曲。歌っているのは、このアルバムをもってCamelを脱退することになるベースのダグ・ファーガソン(Doug Ferguson)。
メロディアスなキーボード、エレクトリックピアノ、フルートと流れるように移り変わるイントロが美しい。特にフルートの美しさは格別で、甘く幻想的な雰囲気を十分に引き出している。
メインボーカルに慣れるメンバーがいなかったため、曲ごとにボーカルが変わるし、イコライジングなどをほどこし、ストレートな声を使わないことが逆に、Camelの演奏面での表現の豊かさを強調するとともに、アルバムイメージの月夜の静かな世界にとてもうまくマッチしていると言える。ダグのボーカルもくぐもった音色に手を加えられて、結果的に幻想性が高められている。
歌詞はまさにCamelらしいと言うか、「Moonmadness」らしい、叙情的なもの。夜の帳が降りて来たら、目を閉じ聞こえてくる笛吹きの曲に身を任せて、この世から魂を解き放つんだと呼びかける。夢とは歌のようなもの。別世界へあなたを連れて行ってくれるもの。でも、例え夢がついえても、この歌(曲)は常にあなたとともにあって、あなたを支えてくれるだろう。そんな暖かさに包まれた曲だ。
Camelはセカンドアルバム「Mirage」で、メロディーを大切にし、情感豊かなギターと多彩な音色と的確なバッキングのキーボードを核とした、インストゥルメンタル中心のオリジナルな音楽を完成させた。それは全編インストゥルメンタルの「The Snow Goose」で開花し、英メロディーメーカーの1975年のブライテスト・ホープに選ばれるまでに至った。
続くこのアルバムでは、再びボーカルを入れながら、「Mirage」に比べ、より洗練された音楽を作ることに成功した。「Mirage」の持つ荒削りだがダイナミックな面は薄れたが、各曲の内容はより緻密に、繊細になり、Camelならではの幻想性をたっぷり味わうことができる。
Camelというと今でもアンディ・ラティマーのギターがあればCamelと言えるほど、彼のギターの魅力が大きいが、このアルバムを聴くと、実はピーター・バーデンスの、アドリブではなくメロディーを中心としたキーボードの魅力も大きいことがわかる。
ギターとキーボードが対等に互いをサポートし合って生まれる、バランスとコンビネーションの良さは、この時期だけのものだ。それにアンディ・ワードの多彩なシンバルワークを屈指したタイトなドラミングに、自己主張しすぎないボーカルが乗ることで、各曲は「Song Within A Song」の世界から、「Moonmadness」の世界へ入っていく。
タイトルの「Song Within A Song」とは、この曲(A Song)の中で「夢は歌のようなもの」「歌は常にあなたと一緒にいる」と歌われる歌(Song)のことだろう。
ちなみにアルバムタイトルの「Moonmadness」だが、月(moon)は昔から人の精神に深く影響すると考えられており、ラテン語で月を示す「Luna」という言葉から「lunatic」=「月に影響された人」=「狂人」という意味が生まれている。
「Moonmadness」という単語はないが、夜の帳の中で、月に気分や感情に影響を及ぼされ変質した、ロマンティックでファンタジックな心の状態を示している言葉と思われる。madnessは悪い意味ではなく、そうした非日常的な夢心地な心の状態を示した言葉だと考えるのが適当だろう。
同じmoonでもPink Floydの「狂気(The Dark Side Of The Moon)」に示される「lunatic」とは異なった、開放的な世界をCamelはこのアルバムに詰め込んだのである。
■「Moonmadness
(ムーンマッドネス『月夜の幻想曲』)」
太陽が空から消え去った
さぁ もう目を閉じてもいいよ
明日が来るまで世界のことは忘れよう
夢とは歌のようなもの
あなたを導き続けてくれる
笛吹きが曲を奏でるから付いて行くんだ
空のずっと向こう側
方法も理由も知らないけれど
あなたはこの感情が永遠に続くとわかる
そしていつの日か
あなたの夢が奪い去られることがあっても
あなたとその歌とはいつも一緒にいられるんだ
The sun has left the sky
Now you can close your eyes
Leave the world behind until tomorrow
The dream is like a song
It leads you on and on
The piper plays his tune so you must follow
So far beyond the sky
Not knowing how or why
You realize this feeling is forever
And though another day
May steal your dreams away
You and the song will always stay together
【解説】
「永久の調べ(Song Within A Song)」は、Camelのオリジナルメンバー最後のアルバム「Moonmadness(月夜の幻想曲)」(1976年)から、2曲目だけれど最初のボーカル曲。歌っているのは、このアルバムをもってCamelを脱退することになるベースのダグ・ファーガソン(Doug Ferguson)。
メロディアスなキーボード、エレクトリックピアノ、フルートと流れるように移り変わるイントロが美しい。特にフルートの美しさは格別で、甘く幻想的な雰囲気を十分に引き出している。
メインボーカルに慣れるメンバーがいなかったため、曲ごとにボーカルが変わるし、イコライジングなどをほどこし、ストレートな声を使わないことが逆に、Camelの演奏面での表現の豊かさを強調するとともに、アルバムイメージの月夜の静かな世界にとてもうまくマッチしていると言える。ダグのボーカルもくぐもった音色に手を加えられて、結果的に幻想性が高められている。
歌詞はまさにCamelらしいと言うか、「Moonmadness」らしい、叙情的なもの。夜の帳が降りて来たら、目を閉じ聞こえてくる笛吹きの曲に身を任せて、この世から魂を解き放つんだと呼びかける。夢とは歌のようなもの。別世界へあなたを連れて行ってくれるもの。でも、例え夢がついえても、この歌(曲)は常にあなたとともにあって、あなたを支えてくれるだろう。そんな暖かさに包まれた曲だ。
Camelはセカンドアルバム「Mirage」で、メロディーを大切にし、情感豊かなギターと多彩な音色と的確なバッキングのキーボードを核とした、インストゥルメンタル中心のオリジナルな音楽を完成させた。それは全編インストゥルメンタルの「The Snow Goose」で開花し、英メロディーメーカーの1975年のブライテスト・ホープに選ばれるまでに至った。
続くこのアルバムでは、再びボーカルを入れながら、「Mirage」に比べ、より洗練された音楽を作ることに成功した。「Mirage」の持つ荒削りだがダイナミックな面は薄れたが、各曲の内容はより緻密に、繊細になり、Camelならではの幻想性をたっぷり味わうことができる。
Camelというと今でもアンディ・ラティマーのギターがあればCamelと言えるほど、彼のギターの魅力が大きいが、このアルバムを聴くと、実はピーター・バーデンスの、アドリブではなくメロディーを中心としたキーボードの魅力も大きいことがわかる。
ギターとキーボードが対等に互いをサポートし合って生まれる、バランスとコンビネーションの良さは、この時期だけのものだ。それにアンディ・ワードの多彩なシンバルワークを屈指したタイトなドラミングに、自己主張しすぎないボーカルが乗ることで、各曲は「Song Within A Song」の世界から、「Moonmadness」の世界へ入っていく。
タイトルの「Song Within A Song」とは、この曲(A Song)の中で「夢は歌のようなもの」「歌は常にあなたと一緒にいる」と歌われる歌(Song)のことだろう。
ちなみにアルバムタイトルの「Moonmadness」だが、月(moon)は昔から人の精神に深く影響すると考えられており、ラテン語で月を示す「Luna」という言葉から「lunatic」=「月に影響された人」=「狂人」という意味が生まれている。
「Moonmadness」という単語はないが、夜の帳の中で、月に気分や感情に影響を及ぼされ変質した、ロマンティックでファンタジックな心の状態を示している言葉と思われる。madnessは悪い意味ではなく、そうした非日常的な夢心地な心の状態を示した言葉だと考えるのが適当だろう。
同じmoonでもPink Floydの「狂気(The Dark Side Of The Moon)」に示される「lunatic」とは異なった、開放的な世界をCamelはこのアルバムに詰め込んだのである。
とても細かいんですが、訳の一行目に脱字があります。
返信削除太陽が「空」から~だと思います
ご指摘ありがとうございました!さっそく訂正いたしました。またお気づきのことなどありましたら、よろしくお願い致します。
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