2009年5月3日日曜日

「オン・リフレクション」ジェントル・ジャイアント

原題:On Reflection

■「Free Hand」収録







オン・リクレクション/もう一度考えてみて

私のやり方で私はあなたを利用したの?あなたは私が本当にあなたを侮辱したんだと思うの? さあもう一度よく考えてみて もうたいしたことじゃないけど:
どうしてあなたは私があなたに、他の人以上に私を必要にさせたなんて言えるの?
もう終わってしまったのに、誰が今更そんなことを言えるっていうの:
それは私の行為、私の欲求、だめになってしまうことはきちんと説明したはずよ
異なった生き方をすれば、決して公平っていうわけにはいかないの
あなたが私を見た時、同じようにして、あなたはいつも
私がいつもいつもも同じように

私はあなたを思い出そうとしてると思えたの?:
今でもあなたは留まっている
自分のやり方に縛られて
機会をあらため
合図に目をこらして
どうやって:
あなたは私の中にあなたにとっての理想像を見ることができたの?
さあ:
もう一度考えてみて どうして私があなたのために生き方を変えるべきだったっていうの?
あたり一帯に
私はあなたに好感は持っているけれど、でも結局あなたにウソはつかないって叫ぶわ

それはまさに一つの経験だと思うの
私には才能があるってさんざん聞かされてテーブルにカードを置いたのよ
まだ何か他の方法があるなんて理解もせずに
新しく頼れるものを見つけて そしてやり直して だって私は長くいなくなるべきだったのだから、さあもう一度考えて これはまさに一つの経験なのよ
まもなく痛みも終わる 同時に痛みの意味もなくなる
私はいつもいつも、あなたのことを思い出せるよう努力するわ
振り返ってみて これはあなたのゲームじゃないの もちろん名目上も違うわ
私は良いことだけ憶えておくわ あなたはどうやって私たちが同じ道を歩んでいた年月を忘れることが出来るのかしら:
物事は私の人生を変え、私の人生からあなたの居場所を取り去り、私たちの時間は離れていった:
あたり一帯に


In my way did I use you, do you think I really abused you
On reflection now it doesn't matter:

How can you say I made you need me more than anyone else

Who can say it right now it's finished over:

It's my act, it's my calling, I explained exactly the falling
Different ways of life can never even:
Be the same when you saw me, could you always take me the

same way as I came and went I tried to remember you:

Still you stay

Tied in your way

Changing times

Watching the signs

How:

Could you see in me what you thought about all you want me to be

Now:

On reflection why should have I changed my ways for you

All around all around

Cry my sympathy's with you but I never lied to you all in all


it seems it's just an experience:
Placed my cards on the table told of everything I was able,

Understanding still not anything different:

Find another to lean on, start again for I should have long

gone, on reflection now it's just an experience.

Soon the pain will have ended, together never intended, as I

come and go I'll try to remember you.

Look back it's not your game, together just in name.

I'll remember the good things how can you forget all the years
that we shared in our way:
Things were changing my life, taking your place in my life and

our time drifting away:

All around all around



【解説】
音楽的には、クラシカルな旋律を、ボーカルと楽器が複雑に絡み合いながら絶妙なハーモニーを作り出すという、一見シンプルだけれど非常に高度な作曲能力と演奏能力、そしてボーカルテクニックを要する、極めて高度な曲である。そういう意味ではジェントル・ジャイアント的な美しさと凄さを体験できる曲だと言える。

歌詞の内容を見ると、何年もの間、共に歩んできた相手と別れることを決心した「わたし」が、それを相手に伝えようとする歌である。かなり現実的な内容で、夫婦、あるいは恋人が長年一緒に暮らした後の別れを思わせる、感情や関係のズレが語られる。

疑問文のかたちを取っているが文末に「?」がないとか、おそらく主語は省略されているんだろうという部分は、補って訳した。

さて、この歌詞からは「あなた」と「私」としか二人の関係はわからないので、話者を男性とするか女性とするかで、和訳の言葉遣いも想像される状況も変わってくる。

しかし何となく、この言い分は女性が言いそうな感じがしたのだ。

実際、「侮辱」されたと思いやすいのはプライドにこだわる男性の方が可能性が高い気がする。自分の生き方を相手に押し付けようとするのも男性っぽい。あるいは自分の理想の女性になって欲しいというのも男性的な感じがする。

そういった指摘や非難が含まれているところから、「話者」は女性として訳した。熟年離婚を言い渡すのは女性からが多いと言われるではないですか。そんな年齢での話ではないのだろうけれど、それに似た冷静さと断固とした決意を感じるのだ。一時的な感情で相手を非難しているというのではなく、数年に渡る付き合いの中で生じてしまったお互いの溝が、これ以上もうどうしようもないところまで来てしまったことを、淡々と伝えようとしている感じがする。

曲順としては次に「Free Hand」が続く。「Free Hand」はいかにも男性が言いそうな泣き言めいた内容なのも良い対比になっている。また「Free Hand」の歌詞にも、この「On Reflection」に出てくる「人生(life)」や「ゲーム(game)」と言った言葉が使われている。

実は別れることになった両者の、それぞれの立場から自己主張を曲として並べたんじゃないかと思えるほどだ。少なくとも「On Reflection」の歌詞を聴いた上て、続く「Free Hand」の歌詞を見ると、「Free Hand」単体で見るより、内容に深みを感じることができる。より大人の男女の別れの物語が浮かび上がってくるようだ。

長年連れ添ったために次第に相手を尊重することを忘れていったり、共に歩んできたはずの人生が少しずつ離れ始めてしまうなんて、とても大人の世界だ。ジェントル・ジャイアントは歌詞も深いなぁと実感。

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